オフィスで僕のくだらない昔話にいつも付き合ってくれる、友人K君がこの本を貸してくれた。
黒い。黒いよ、この本は。
まだ、アニメがテレビまんがだった頃、何かの雑誌のアニメ特集別冊があった。「映画ファン」だったか「スクリーン」だったかはたまた別の雑誌か分からない
そして数ページに渡って、これから放送される「ヤマト」の概要が紹介されていた。
たしか艦橋のスケッチだったかと思う
まあ、そのへんから「ヤマト」には馴染みがある。
もちろん最初の放映は全部見たし、再放送も全部見た。映画は公開日の一回目上映を見たし、オフィシャルファンクラブ会員であり、3冊セット3万円の豪華本も買った。
26話が入った13枚組みLPセットも買った。
もちろん当時から西崎義展の名前は知っていた。何者かは知らなかったけど、すごいエネルギーを持っているんだろうなと想像していた。
そしてこの本はその想像通りの人だった。
豪快、恩知らず、金満、ケチ、人でなし、一発屋、女好き、クスリ、一匹狼、凄腕プロデューサー。作品への妥協はゆるさない。予算オーバーなどお構いなし。借りた金は返さない。
“これから映画館をまわって、フィルムのラスト三分を切ってこい”
ヤマト完結編の公開初日、ラストのシーンのウケが悪かったため。スタッフが映画館へ急行し、実際切った。
“常識知らず、身のほど知らず、どんなにでかい会社と組んでも思い通りになると思ってる”
角川春樹氏と西崎義展氏の共通点。吉田達氏談
この本の主なソースは当時をしる方々の証言なので、どこまでが本当かわからないけれど、前の話で終わったはずの「ヤマト」を何度もを復活させるのを見て、「人目など気にしない、自分の意志が全て」のこんな人だろうなと思っていた。
半分真実、半分ファンタジーとして読んでみたが、一気に読めるほど面白かった。
映像化希望!